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勉強中(2)

テレビや動画サイトで、
いろんな学者さんたちが色んなことを言ってますね。

今日は「放射能だいじょうぶ!」
という東京大学の稲博士の動画を見ました。
(→ 化学的なのはコチラ
す…すっごい大丈夫って言ってる… 

私はご存知のとおり、右脳しか動いてないような感覚人間で、
科学的な知識にはとんとウトいほわ〜んとした人間ですが、
好奇心だけはあるので、自分なりに疑問に思ったことを
ネットでだけど、デマに流されないよう、書いた人の所属と本名が分かる情報を確かめるようにして調べてみてます。

“放射能”といっても、正しくは人体に影響を与えるのは「放射線」であって、その放射線を放出するのが「放射性物質」だということくらいは分かるようになりました。

その放射線には、α線・β線・X線・γ(ガンマ)線・中性子線という
種類があって、それぞれ、放射線の透過率や強さ、遮へいできる物質があることも分かりました。ものすごく強い放射線は完全に遮へいできるかどうかまでは分からないけど。

だから、テレビで言ってるように、
ベクレルやらシーベルトやらの数値で、
人体に影響が必ずすぐにあるというわけではないのも何となく分かるので、私自身はそれほどパニック今のところなってはいません。でも。


「だけどなぁ〜…」
と、疑問に思うことがあるのです。


* * *



まず思ったのが、自然界からも放射線はあって、
毎日浴びているのだから、
微量な数値が上がっても大丈夫という意見。

でも、放射性物質には自然界にもともと存在するもとの、
人工的に作り出したものがあるので、
それをいっしょくたにするのはどうも違和感が…

そこで、まず自然放射線と人工放射線で生き物への影響に違いはあるのかなと調べたら、市川定夫さんという遺伝学の名誉博士の文献の引用が乗っているのを見つけて色々分かりました。(以降はコチラを参考)

まず、自然放射線と人工放射線では、
人体や生物に対する影響は同じだそうです。

自然放射線というのは、宇宙線と呼ばれるものと、
地面やコンクリートからもの、
それと食べ物から体内に入る自然放射線核種からによるものです。
(核種とは、原子核もしくは原子の種類のこと)
数値にすると、年間850マイクロシーベルト前後だそう。

自然放射線というのは、
自然界に存在する放射性物質から発せられる放射線。
よくテレビで言われてるのが「カリウム」や「ラドン」ですよね。

自然放射線のうち、体外からの放射線は、
大部分が「カリウム40」というものからだそうです。
ただ、カリウムはどの生物も体内に一定の濃度を保つ機能を備えているため、カリウム40が過剰に体内に蓄積されることはない。

ラドンも同様に「ラドン222」「ラドン220」という放射性物質があり、ラジウム温泉が出る地域に多く、温泉の湯気から肺内に入りますが、希ガスなので体内に取り込まれたり濃縮されることなく肺外に出てゆくのだそうです。


* * *



一方、人工放射線を発するのが
人工放射性物質と呼ばれるものです。
通常、自然界では存在しない元素が、
原発などで人工的に作られます。
テレビでよく出てくるのが「ヨウ素」や「セシウム」、
「ストロンチウム」は出てきましたっけ?

もともと、自然界にある天然のヨウ素は100%非放射性。
生物は、この非放射性ヨウ素に適応して、
ほ乳類は甲状腺にためて成長ホルモンを作り、
陸上の植物は(ヨウ素は海には多いけど陸上には少ないため)、
ヨウ素を効率よく高度濃縮させて自分の栄養にします。

生物は、放射性の「ヨウ素131」も天然のものも区別できないので、同じように体に濃縮してしまいます。

ストロンチウムは、自然界での存在はわずかですが、
カルシウムと近い化学性質を持つので、
体内に入ると放射性の「ストロンチウム90」も
カルシウムと同じように骨に集まってしまいます。
ストロンチウムの半減期は28年なので、
体内に蓄積したストロンチウムはその間、
放射線を放出し続けることになってしまうんですね。

ヨウ素と同様に、
天然のカルシウムに放射性のものは存在しないので、
生物はこの元素を栄養素にするために進化していったのです。


* * *



ということは、自然放射線と人工放射線の影響は同じでも、
自然放射能物質と人工放射能物質との影響は違うということです。

生物が物質を蓄積する能力がどのくらいのものなのか、
そのことも考慮しないと、今すぐは大丈夫でも、
10年後も大丈夫とは言い切れないのです。


地球上は、ずっと昔は今よりも
何十倍もの放射能物質にあふれていたそうです。
その中で、生物は対応し、進化し、
自然界に存在する物質に代謝できる機能を持ったものだけが、
今こうして生きているんですね。

果てしない生き物の連鎖の上に、今生きているんですね。


原発では、今生きている生き物が対応できない
新しい物質を作っている。
電気を得るために…


もし、原発が安全だと言い切るのであれば、
人工的に作ってしまった放射性物質の放射線を無効にする技術や、
もしくは人体が対応できるような医療技術が確立されなければ、
言い切ってはいけないんじゃないかと思いました。


だって、今地球上で生きている生物が、
新しい物質に対応するのにどれくらいの時間がかかるんだろう。

何億年もかけて生命が生き残るために進化を続けてきたことを、
10年やそこら100年かけても
そんな簡単にできるとは思えません。
それは、違う生命体になるような進化だから。


頭の良い学者さんたちは、
私が考えられるくらいのことはとっくに考えているはずです。
もっとよく分かってるはず。


市川さんの文章はとても分かりやすいので、
よかったら、こちらも読んでみてくださいね。

今回読んだ文章が載っている
「環境学 ー遺伝子破壊から環境破壊までー」
を購入して読んでみることにしました。
(高い本なので、もちろん中古で(^^;))




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